SYPHILIS
梅毒
梅毒とは
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌に感染することで引き起こされる性感染症です。一般的には性的接触を通じて感染しますが、稀には感染した人の血液が健康な人の体内に入ることによっても感染が広がることがあります。梅毒の感染者数は全国的に増加傾向にあります。感染を防ぐために、性行動時の適切な予防策や定期的な検査が重要です。
梅毒の症状
梅毒は、性器や肛門の周辺、口などにしこりや発疹が現れることがありますが、これらの症状はしばしば一時的に現れては消えるため、治癒したと勘違いされることがあります。しかし、放置したり治療を受けなかったりすると、深刻な問題を引き起こす可能性があります。
妊娠中の女性が感染すると、胎児にも感染が及ぶ可能性が高く、他の感染症との共存も問題です。さらに、梅毒はHIVの感染リスクを高める可能性もあります。
感染~数週間から数年後までの間に、様々な段階で症状が現れたり消えたりします。具体的には以下のような経過が見られます。
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第1期(感染から数週間~数カ月)
性器や肛門、口などに硬いしこりが生じますが、痛みはほとんどありません。これらの症状は数週間で消失します。
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第2期(感染から数ヶ月以上)
全身に赤い発疹や脱毛、喉の痛みや腫れなどの症状が現れます。これらの症状も数か月で消失します。
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第3期(感染から数年~10年)
体中にゴム状の腫瘍が生じ、内臓にも及ぶことがあります。腫瘍が破れると潰瘍が生じる可能性もあります。
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第4期(感染から10年以上)
心臓や脳、神経などの臓器に影響が及び、日常生活に支障をきたすことがあります。最悪の場合、死に至ることもあります。
梅毒はこれらの段階を経て進行し、早期発見と適切な治療が重要です。初期の段階では、硬いしこりやリンパ節の腫れなどが現れますが、これらの症状が消えたからといって安心せず、早めに医療機関で検査と治療を受けることが大切です。
梅毒の原因
梅毒は、性的接触によって粘膜や皮膚の小さな傷から感染することが一般的です。性行為を介しての感染が主なルートであり、性器や肛門の周囲、口などの粘膜が感染源となります。また、妊娠中の母親が感染している場合は胎児にも感染が及ぶことがあり、先天性梅毒と呼ばれる状態が生じます。
その他にも、非常にまれなケースでは、食器などの共用や輸血などの医療行為によっても感染が起こることがあります。
梅毒の治療
梅毒は現在ではペニシリン系の抗生物質で効果的に治療できる疾患です。一般的に、抗生物質を約4週間ほど継続して服用する必要があります。抗菌薬の投与期間は病状によって異なります。第1期の場合は通常2~4週間、第2期は4~8週間、第3期以降は8~12週間の治療が必要です。
治療後も一定期間、抗体価の推移をモニタリングすることが重要です。治療後6か月が経過しても、抗体価が高値の場合は再感染か治療効果が不十分とみなされ、再治療が検討されることもあります。